「トレーリングストップ」を活用したFX取引の戦略
FX取引において、利益の最大化やリスクの最小化を目指すための多くのテクニックが存在する
その中でも「トレーリングストップ」という手法は、経験者から初心者まで幅広く利用されている
この記事では、トレーリングストップの仕組みと特徴を解説した上で、具体的な設定方法と実践事例を交えてその活用法をまとめる
トレーリングストップの仕組み
トレーリングストップとは、既に利益を得ているポジションを保有する際、
市場価格が自分の売買方向に有利な動きをした場合に、逐次的にストップロスの値段を更新していく手法
具体的には、上昇トレンドの場合、価格が上がるにつれてストップロス価格を上げ、下落トレンドの場合は下がるにつれてストップロス価格を下げる
これにより、利益を最大限確保しつつ、市場の変動に対応できるのが特徴となる
トレーリングストップのメリット
トレーリングストップの最大のメリットは、利益の確保と損失のリスク低減を同時に実現できること
例えば、上昇相場で買いポジションを保有している場合、価格が上がればストップロスも上げるので、利益を最大化できる
一方、下落相場で売りポジションのときは、下がるにつれてストップロスを下げるので、損失のリスクを抑えられる
また、設定したトレーリング幅によって、利益の追求とリスク回避のバランスを柔軟に調整できるのも強み
トレーリングストップの設定方法
トレーリングストップの主な設定パラメータは以下の通り
- トレーリング開始価格: トレーリングを開始する基準となる価格
- トレーリング幅: 価格が動いた際に、ストップロスをどの程度動かすかの幅
- トレーリングステップ: ストップロスを動かす頻度
これらの値を市場の状況に応じて調整することで、トレーリングストップを最適に機能させることができる
実践的な活用方法
トレーリングストップは上昇相場だけでなく、下落相場での損切りにも活用できる
例えば、下落トレンドの場合、売りポジションを取得した後に下落が加速したら、ストップロスを下げて早期の損切りに備えることができる
また、ボラティリティが高く変動の激しい相場では、トレーリング幅を広く設定し、ストップロスの頻繁な更新を避けるのが賢明
Pythonで動的にストップロスの設定を実装
Pythonで実装する場合は、トレーリングストップを任意のタイミングで設定することができる
例えば「目標とする値幅を取れたらストップを建値まで動かす」など、状況に合わせた自由度の高い実装も可能
※とはいえ、一定の値幅でストップが追随するわけでないので、正確にはトレーリングストップと言わないかも知れない
実装例 1 :建値に移動する
# 一定の値幅が取れていれば、ストップを建値に移動する
def update_stop_loss(self, position, current_price, entry_price, stop_loss, threshold=10):
if position == "long":
pips = current_price - entry_price
elif position == "short":
pips = entry_price - current_price
if pips >= threshold:
return entry_price
return stop_loss
実装例 2:直近高安に移動する
# 一定の値幅が取れていれば、ロングの場合はストップを直近安値に移動する。ショートの場合はストップを直近高値に移動する。
def update_stop_loss(self, position, current_price, entry_price, stop_loss, threshold=10):
if position == "long":
pips = current_price - entry_price
if pips >= threshold:
if self.last_pivots_low[-1] > stop_loss:
return self.last_pivots_low[-1]
return entry_price
elif position == "short":
pips = entry_price - current_price
if pips >= threshold:
if self.last_pivots_high[-1] < stop_loss:
return self.last_pivots_high[-1]
return entry_price
return stop_loss
今は単純にpipsでみているが、「直近安値が切り上がったら」とか「指定したレジスタンスラインを超えたら」など色々なケースが考えられる