ロジカルシンキング
論理的思考(ロジカルシンキング)は、
プログラミング、コミュニケーションなど、様々な場面で必要とされる能力
ロジカルシンキングにおける3つの思考力
- 論理的構築力
- 批判的思考力
- 多面的思考力
1. 論理的構築力
「なぜそうなるのか?」
ロジカルシンキングとは、論理を組み立てて考えること
* つじつまが合っているかどうか * 論点と主張を結びつける根拠が重要因果関係をセットで考える問題解決のフレームワーク
「空・雨・傘」
空(事実)-> 雨(解釈) -> 傘(解決策)
2. 批判的思考力
「本当にそれは正しいか?」
クリティカルシンキング
- 建設的な批判
- 構築された論理を鵜呑みにしない
- あえて疑いの目で見たり、違う考え方をぶつけることでロジックを磨きあげる
「筋道に歪みや偏りはないか?」
「論理が成り立たない場合はないか?」
「思い込みで判断していないか?」
3. 多面的思考力
「他はないか?」
- 網羅できているか
- 欠けている条件はないか
- 他の可能性
論理的思考力について
分けて考える
複雑な問題も、分けて整理することで全体像がつかみやすくなり、シンプルに考えることができる
分けて単純化することで、抜けていた視点
ロジカルに道筋を立てるには?
1. 論点を設定する
論点は何か?
そもそも何を話したいのか?
どのように論点を設定するかで、導き出す結論が違う
2. 構図を把握する
論点の分類
- 記述的問題 正しいか?誤りか?
- 功利的問題 損か?得か?
- 規範的問題 善か?悪か?
- 感情的問題 好きか?嫌いか?
論理の道筋を立てるときのパターン
問題は何か? -> 原因は何か? -> どんな手が打てるか? -> 何をすべきか?
事実を根拠にする
事実とは、現実に起こったこと・存在すること
- 事実と意見を分ける
- 事実を論理の土台とする
事実に基づいて論理を組み立てる
MagicalNuts
事実は可能な限り一次情報が望ましい
- 客観的なデータ(エビデンス)
- アンケート結果
- ファクトデータ、統計
仮説を検証する
仮の結論を置く -> 正しいかどうかを事実で裏付けする
仮説が証明できれば、事実として根拠となる
e.g. 刑事の裏付け捜査
ゼロベースで思考する
仮説思考のデメリットは、仮説に囚われすぎて思考の幅が狭まること
先入観を排除し、まっさらな状態で考えるゼロベース思考も有効
背景(コンテキスト)によって意味が変わる
事実や情報は、背景、文脈、関係などのコンテキストが変わると意味が変わることに留意する
結論を導き出す
「so what?」 … だから何なの?
何が言いたいのか自分に問いかける
論点(問い)と主張(答え)を一致させる
具体的に思考する
- 意味の曖昧な言葉は使わない
- 具体的なイメージを持って考える(チャンクダウン)
who, what, when, where, why, how
具体的な事例や、例えを使って曖昧を具体化する
要約する
- 「要するに」を使って圧縮する
- シンプルに考える
- 抽象化する(チャンクアップ)
本質(エッセンス)や、勘所(ポイント)をつかむ要約力を身につける
論点にストレートに答えているところが重要な箇所
全体をとらえる
- 全体を大まかにとらえる
- 構造をつかんでから細部に入る
ゴールから考える
全体をとらえ、ゴールを決めて実行する =>「ゴール思考」
e.g. テストを受けるときの作戦を立てる 1. 問題の全体に目を通す 2. 問題ごとの時間配分を考える 3. どの問題から解くかを決める
結論から先に述べる
PREP法 - Point (結論、主張) 「私の意見はです」 - Reason (理由、根拠) 「理由はです」 - Example (事例、データ) 「たとえばです」 - Point (結論、まとめ) 「だから私は*と考えます」
批判的思考力について
論理が完成したら、客観的にみて筋が通っているかをチェックする
建設的に批判し、きちんとした道筋で再考して、論理の歪みやほころびを正す
-「根拠は十分か?」 -「Why so?」
「なぜ?」とは、根拠や理由を問いただすフレーズ
根拠が適切でないと、論点と主張が繋がらずロジックが成り立たない
考えることから逃げてはいけない
諦めず、深堀りして考える
歪みを正す
法則から現実を導き出す「演繹法(えんえきほう)」
道筋をあまり長くしない
バランスを正す
現実に起こっていることから、一般的な法則を導く「帰納法(きのうほう)」
サンプルの量が少なければ結論を誤る可能性がある(過度の一般化)因果関係を見極める
すべてのことには原因があると考える
物事に相関があるかどうか
相関があっても、因果関係があるかどうかは別の話
因果関係とは、原因 => 結果 の順番となる事象
隠れた第三の因子の存在がないか?
因果関係があったとして、その関係が重要かどうか
前提に疑問を持つ
論理の前提に疑いの目を向ける
「そもそも」
反証を探す
正しくないという証拠を見つける
どうしても自分に都合のよい材料ばかりを集めがちになるので、肯定も否定も五分五分で見る習慣をつける
- 「もしそうだとしたら?」
- 「もしそうでないとしたら?」
固定観念を打ち破る
「思い込みでは?」
選択的知覚によって、思い込みのフィルターが情報にかかってしまう
(ステレオタイプな見方をしてしまう)
人それぞれの持つ認知や解釈の枠組みによって、偏りや歪みが生じる
無意識に都合のよい情報を選んで集めがち
同じ情報を持ってしても、自分の都合のよいように解釈しがち
見込み違いを調べる
バイアスが間違いを生む
- 代表性バイアス (珍しい事例を一般化する)
- 自己奉仕バイアス(自分に都合のよい要因を見つけ出す)
- 利用可能性バイアス(思い出しやすいことを過大評価する)
- 後知恵バイアス(後付けで理屈をつけて正当化する)
偶然に起こったことを因果関係と勘違いする場合にも注意する
多面的思考力について
「他はないか?」
多面的な角度から問題を考える力
道は一本とは限らない(横の論理)
思考の幅を広げる
できるだけたくさんの「選択肢(オプション)」を考えた上で絞り込む
視点を広げる
5Wを変えれば視点が広がる(切り口を変える)
- Who 誰の目で見るか(人、性別、立場、利害関係)
- What 何を見るか(事象、変化、相対、割合、分布)
- Who いつを見るか(過去・未来・現在、季節、期間、時刻、時間)
- Where どこを見るか(地理的な範囲、空間、領域、マクロ・ミクロ、集団の単位)
- Why なぜ見るか(目的、狙い、意図)
組み合わせる
発想は既存の組み合わせで生まれる
他に考えが浮かばないのは
- 持っている情報が少ない
- 組み合わせ(考えを編集すること)ができていない
という状態
似たものからヒントを得る
似たものを見つけて、問題に当てはめる「類推思考・アナロジー思考」
制約を外す
役割、権限、ルール、などの制約によって論理に制限が掛かってしまう
「もし...だったら?」(if思考)
と一旦制約を外して考えてみることで視野が広がる
両面から見る
分けて整理して考える
「分ける」ことで「分かる」ようになる
2つに分ける * メリット / デメリット * 共通点 / 相違点 * 理想 / 現実 * 絶対 / 相対 * 形式 / 実質 * 全体 / 部分 * 効率 / 平等 * 必要 / 願望
二項対立の図式に当てはめてシンプルに考える
ただし、2つしか選択肢がないと思い込まないこと
階層構造で分ける * 大分類 / 中文類 / 小分類
ロジカルシンキングのツール
- ロジックツリー
- ピラミッドストラクチャー
モレ・ダブりをなくす
「モレやダブりはないか?」
MECE(ミーシー)
Mutually Exclusive and Collective Exhaustive
粒度の違う話を混ぜない
各階層のレベル感(抽象度)を合わせる
軸を見つける
マトリクスで分類して整理する * 重要度、緊急度の大小 * 効果、難易度の大小 * スピード、品質 * イシュー度、解の質
e.g.
アンゾフのマトリクス
図で考える
「見える化」することで効果的に整理する
ファシリテーション・グラフィック
優先順位を考える
「選択と集中」
重要なものに集中する
問題の本質を探しだす
優先順位を決める基準と価値観
考えを統合する
最前の策でなくてもいいと全員が言えるコンセンサスをとる
- 妥協する
- 条件付きで合意する
- 部分的に合意する
- 第三の案で合意する
- プロセスを合意する